町内会・自治会の法人化に向けて
[2022年4月20日]
[2022年4月20日]
これまで、町内会・自治会が所有する財産は、町内会・自治会名義では不動産登記ができなかったために、会長の個人名義や役員の共有名義で登記が行われ、その後の名義変更や相続などの際に問題を生じてきました。
そのため、平成3年4月に地方自治法の一部が改正され、町内会・自治会のように「その区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体」で「その区域内に住所を有する人は誰でも構成員となれる団体」については、一定の手続きを行い、市長から法人格の認可を受けることで、その財産を町内会・自治会名義で不動産登記することができるようになりました。
このような一定の手続きにより法人格を取得した団体を『認可地縁団体』といいます。
※スポーツ団体や郷土芸能保存会のように活動の目的が限定的に特定される団体や青年団や婦人会のように、構成員となるためには、区域内に住所を有すること以外に、性別などの条件が必要な団体は対象になりません。
地縁団体の認可を受けるためには次の要件をすべて満たしていることが必要です。
令和3年度の地方自治法の改正により、地縁による団体は、不動産の保有及び保有予定の有無に関わらず、地域的な共同活動を円滑に行うため市長の認可を受けることが可能となりました。
その区域が、住民にとって客観的に明らかなものとして定められていることが必要です。この区域は、その団体が相当の期間にわたって存続している区域の現況によらなければなりません。
次の項目が記載されている規約(会則)を定めなければなりません。以下の項目については、必ず定めなければならない項目です。このほかに必要事項を定めることは差し支えありません。(地方自治法第260条の2第3項)
・目的
地縁団体の目的は、スポーツや芸術などの特定活動だけではなく広く地域的な共同活動を行うものである必要があります。活動の内容は、認可地縁団体としての権利能力の範囲が明確にわかるよう具体的に定められている必要があります。
・名称
団体の名称についての地方自治法上の制限は特にありません。ただし、他の法令において名称独占規定がある場合は、それに従う必要があります。また、既存の法人と誤認される恐れのある名称は、使用しないでください。
・区域
区域は、住民にとって客観的に明らかなものとして定められる必要があるので、町または字及び地番または住居表示により表示してください。ただし、河川や道路等による区域の表示でも市町村内の他の住民にとって当該団体の区域が客観的に認識できれば認められます。申請には、区域図を添付してください。
・主たる事務所の所在地
事務所は、代表者の自宅に置く、あるいは集会施設に置くこととすることが一般的です。規約の定め方としては、住居表示または地番のほか「本会の主たる事務所は、代表者の自宅に置く」という定め方が可能です。
・構成員の資格に関する事項
区域内に住所を有するすべての個人が、年齢、性別を問わず、地縁団体の構成員となり得ることとし、正当な理由がない限りこれを拒んではならないことを定めていなければなりません。なお、法人や団体は構成員とはなれませんが、「本会の活動を賛助する法人及び団体は、賛助会員となることができる。」と定めて、表決権等は有しないものの活動の賛助等の形で団体に参加できることとすることは可能です。また、できるかぎり、加入や脱退に関する手続きについても定めてください。
・代表者に関する事項
代表者は1名とし、その選出方法、任期等を定めておく必要があります。
・会議に関する事項
通常総会・臨時総会について、招集方法、議決事項などについて定めておく必要があります。
・資産に関する事項
資産の構成、資産の管理、資産の取得及び処分などについて定めておく必要があります。(1)市(地域防災課)との事前相談
↓
(2)規約(案)の作成(現行規約の修正)
構成員名簿の作成
↓
(3)提出予定書類(規約案等)についての市(地域防災課)との協議
↓
(4)町内会・自治会の総会における議決
↓
(5)市(地域防災課)へ認可申請書類提出
↓
(6)市による認可・不認可通知
↓
(7)市による告示
(1)認可申請書(様式第1号)
(2)規約
(3)認可を申請することについて総会で議決したことを証する書類(総会の議事録の写しで、議長及び議事録署名人の署名・押印のあるもの)
(4)構成員(会員)の名簿(構成員全員の氏名及び住所を記載したもの)
(5)良好な地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動を現に行っていることのわかる書類(総会議案書等、団体の活動状況を示す書類)
(6)申請者が代表者であることを証する書類(代表者就任にあたっての代表者の承諾書)
(7)区域図(住宅地図等に境界線を記入し、地縁団体の区域を明確にした図面)
(1)認可地縁団体印鑑登録(認可地縁団体印鑑登録証明事務取扱要綱)
登録申請を行うときは次の書類等が必要です。
ア 認可地縁団体印鑑登録申請書(様式第1号)
イ 登録する団体印鑑
ウ 市に登録してある代表者の個人の印鑑
エ 代表者個人の印鑑の印鑑登録証明書
ア ゴム印その他の印鑑で変形しやすいもの
イ 印影の大きさが1辺の長さ8ミリメートルの正方形に収まるものまたは1辺の長さ30ミリメートルの正方形に収まらないもの
ウ 印影が不鮮明なものまたは文字の判読が困難なもの
エ その他登録を受けようとする認可地縁団体印鑑として適当でないと市長が認めるもの
印鑑を登録した日から証明書を交付できます。認可地縁団体印鑑登録証明書交付申請書(様式第4号)により申請してください。1通200円です。
(2)認可地縁団体の証明書(地縁による団体の認可事務取扱要綱第16条)
認可地縁団体として告示を受けた後は、告示した事項の証明書を交付できます。告示記載事項証明書交付請求書(様式第7号)により申請してください。1通200円です。
(3)規約・告示された事項・代表者に変更があった場合(地縁による団体の認可事務取扱要綱第12条)
認可を受けた後「規約」「告示された事項」「代表者を変更した」場合は、それぞれ届け出が必要です。届け出に基づき市長が変更認可の告示をします。
告示事項は以下のとおりです。
(4)規約を変更した場合(地縁による団体の認可事務取扱要綱第4条第2項)
総会で規約の変更の議決を行ったあと以下の書類を提出してください
(5)告示された事項を変更した場合(地縁による団体の認可事務取扱要綱第12条)
総会で告示事項の変更の議決を行ったあと以下の書類を提出してください
(6)代表者が変更になった場合
総会で代表者の変更の議決を行ったあと以下の書類を提出してください
認可地縁団体証明書交付請求書類
認可地縁団体は、法律上でも公法人ではなく、公共団体その他行政組織の一部ではありませんので、市との関係などは認可前と基本的に変わりません。
また、認可後も住民により任意的に組織された団体であることに変わりありません。活動や運営方法について、団体が決定し実施するものであり、市は一般的な指導・監督権限を持ちません。
認可地縁団体としての法人登記は、市長が行う告示をもってこれに変えることとなりますので、法務局への法人登記の必要はありません。
(1) 市長は、認可地縁団体が地方自治法第260条の第2項各号に掲げる要件のいずれかを欠くことになったときまたは不正な手段により認可を受けたときは、その認可を取り消すことができます。
(2) 認可地縁団体は、以下のいずれかに該当するとき、解散します。(地方自治法第260条の20)